第6号 社会保険のしくみを知っておこう
給与計算で税金の他に控除される「社会保険」。社会保険ってなに?という基本の部分や「強制適用」の範囲・条件などを知っておきましょう。
社会保険制度ってなに?
社会保険制度ってのは、生命保険や損害保険などの民間のj保険と違って、国が保険者になっている保険制度なんです。
そもそも保険制度は、事故の危険の確率論に基づいて成り立つしくみになっているんです。例えば自動車保険なんかは、事故を起こす全体の確率によって保険料が決まり、実際に事故を起こした人に対しては、危険の度合いが高いということで保険料も上がることになります。これとは逆に1年間無事故なら、保険料は年々下がっていきますよね。これが民間の保険ということです。
社会保険制度は民間の保険とは異なり、強制的に加入しなければならず、また、病気にかかりやすい人もそうでない人も一律の保険料になっていて、確率論に基づいた一般的な保険のしくみとは異なります。
強制的って、社会保険制度はどうやって適用されるの
社会保険制度は、「お互いに助け合う制度」という意味で強制的に加入しなければなりません。(強制適用)
制度に加入することを法的には「適用を受ける」という言い方をします。社会保険(健康保険・介護保険・厚生年金保険)については、有限会社、株式会社といった法人は全て、個人事業主の場合でも一定の業種(農林水産業やサービス業以外)は強制適用になっています。
労働保険(労災保険・雇用保険)も同様で、1人でも労働者を雇い入れたら法人・個人を問わず強制適用になっています。したがって個人事業の一部を除いた大部分のサラリーマンは社会保険に加入しているということになるんです。
また、社会保険は民間の保険とは異なり、被保険者が負担する保険料以外に、国が一定額を拠出する仕組みになっています。これらの社会保険は税金と同じように会社が控除して納めることになっているので、給与計算と社会保険事務は密接な関係にあるんですね。
※非適用業種(飲食店・理容・美容業・弁護士等の専門サービス業…)では5人以上の社員がいても強制適用にはならない。