第5号 給与計算と税金関係の事務はこうだ!
給与計算で税金と言えば「所得税」と「住民税」ですが、所得税などは従業員の家族構成などで控除される額が変わりますし、税金の総決算ともいえる年末調整などの毎月の給与計算事務のほかに税金関係の事務作業があります。これを今回は解説していきますね。
まず、所得税と住民税というのはどういう税金なのか知りましょう
<この記事の目次>
所得税は、1月~12月までの1年間にその人が受けた所得(給与や賞与の総額から一定額を控除した額)に対して課税されます。サラリーマンなどの給与所得者は会社で支払う毎月の給与や賞与の中から所得税を徴収していき1年の所得の総額が確定する12月の給与で調整する手続きを取ります。
住民税は前年の所得に基づいて計算され、その年の6月~翌年5月までの給与から徴収されます。
これに対して、自営業者の人などは、1年万の所得に対する税金を、翌年2月中旬~3月中旬までの期間に確定申告という手続きで申告・納付することになっているんです。
その年の所得税を決める扶養控除等(異動)申告書
年間の所得が同じ人でも、家族を養っている人とそうでない人で支払う税金が同じ額だったら不公平ですよね。
そこで、所得税には扶養している人を持つ人には税金が軽くなるようなしくみを設けています。具体的には、収入から扶養する人数に応じた一定の金額を差し引いて、課税する所得を計算するような仕組みになっているんです。
したがって、扶養家族がいるのかを会社がきちんと把握するために、毎年初めての給与を支給する前に、各従業員が扶養している人を会社に届ける手続きがあります。この際の届出書が「扶養控除等(異動)申告書」というわけです。
給与計算ソフトなどで計算する場合は1月支給分の給与計算お行う前に、この申告書の申告内容に基づいて扶養の情報を再設定しておく必要があるんですね。
1年間の税金を総決算する「年末調整」
12月に支払う給与や冬の賞与で1年間の給与総額が確定し、年税額も確定することになります。
つまり、毎月控除していた所得税は、いわば「仮」だったわけです。1月~11月まで毎月控除していた所得税と確定した所得税とを最終の給与で調整して、多く支払ってれば還付し、少なければ徴収したりという事務作業が発生します。
これが、「年末調整」の事務ということです。