第7号 給与計算と社会保険事務の流れ
給与計算で控除される「社会保険料」。ここではその社会保険に関係して発生する事務作業の概要部分を整理します。一年間を通して発生する社会保険事務の流れと意味を理解しておきましょう。
社会保険料の計算と納付手続き
社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料)は給与(正確には、「標準報酬月額」)に一定の保険料率を乗じた額を会社と個人で原則として半分ずつ負担することになっています。
保険料は毎月納めることになっており、翌月末が納付期限になっています。ですから、毎月の給与計算では社会保険料の計算と納付の事務が圧制することになります。
現在では、納付の事務は原則として預金口座振替で処理されているため、特に社会保険事務所の窓口に行って納付手続をするようなことはありません。
特別保険料の計算と納付手続き
特別保険料とは、賞与に対する社会保険料のことです。ボーナスにも一定の社会保険料が掛かります。
ボーナスの支払時期は会社によって異なりますから一定の手続きが必要になるのです。具体的には賞与を支給した後5日以内に賞与等支払届を提出し、これに基づいて保険料を納付することになっています。
労働保険料の計算と納付手続き
労働保険の保険料は社会保険料とは異なり、1年に1回納付する形がとられています。
労働保険料も給与に一定の率を乗じた額となっていますが、労災保険は全額会社負担、雇用保険は会社と個人で負担割合が決められています。労働保険では、毎年4月~翌年3月までを年度としており、この年度において予想される給与の総額に労働保険料の率を掛け合わせた額(概算となるため、概算保険料という)をあらかじめ納付して、1年経過した段階で確定した保険料と概算で支払った保険料を清算する手続きを繰り返します。この手続きが「年度更新手続き」と呼ばれているものです。