第20号 給与がもらえないって・・・の話
みなさんは、労働の対価として給与をもらっているわけですから、当然、労働しなければ給与に影響が出ることくらいは分かっていますよね。でも、どういう場合に減給されたりするのか、どの程度、減給されるのかって意外に知らないものです。今回は、この当たりのお話しになります。
働かざる者食うべからず!ノーワーク・ノーペイの原則
<この記事の目次>
給与明細には、遅刻早退控除や欠勤控除という欄があります。これは文字通り、遅刻や早退をして所定労働時間分の労働をしなかった場合や、私用などで会社を休んだ場合(有給休暇を除く)に給与から差し引かれる金額のことです。
会社で働くということは、労働契約という契約に基づいているので、社員は所定労働時間分労働するという義務を負う代わりに、その対価(対償といいます)として給与を受け取る権利が発生するということになります。
そこで、当然のことながら所定労働時間働かなたった場合は、その分の給与を会社は払う必要いわけです。
時間外労働時間の端数処理
実は遅刻早退控除や欠勤控除の基準に関しては、労働基準法に規定がないのです。
したがって、各社独自の控除規定を作っているのが現状で、欠勤した場合の控除として一般的なのは、1年間における月平均の所定労働日数分の1とするパターンです。また、欠勤1日につき、その月の所定労働日数分の1を控除するというパターンなどもあります。会社によって、控除する給与は基本給をベースとするケースや、欠勤が4日以上になった場合に4日目から控除するというような定めをしているケースもあります。
制裁!ペナルティ!減給!
減給の制裁とは、職場の規律に違反した労働者の制裁として、本来ならば、その労働者が受けるべき給与の中から一定額を差し引くことを言います。労働者に与えられる、いわば「罰」なので、働かなかった分を計算して控除するノーワーク・ノーペイとは違う意味になります。
この制裁に関しては労働基準法上の制限があります。就業規則で労働者に対して減給の制裁を定める場合、その減給には以下の制限があるのです。
1).1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えてはならない。
2).総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。